Program <プログラム>
11:00〜11:50
文化と社会 江戸ー令和のことばから見えてくるものとは?
ロバート キャンベル
日本文学研究者
Profile
ニューヨーク市出身。専門は江戸・明治時代の文学、特に江戸中期から明治の漢文学、芸術、思想などに関する研究を行う。テレビでMCやニュース・コメンテーター等をつとめる一方、新聞雑誌連載、書評、ラジオ番組出演など、さまざまなメディアで活躍中。
竹中 平蔵
経済学者 / アカデミーヒルズ理事長
Profile
ハーバード大学客員准教授、慶應義塾大学総合政策学部教授などを経て、2001年小泉内閣で経済財政政策担当大臣を皮切りに、金融担当大臣、郵政民営化担当大臣兼務、総務大臣を歴任。博士(経済学)。
著書は、『経済古典は役に立つ』(光文社)、『竹中式マトリクス勉強法』(幻冬舎)、『構造改革の真実 竹中平蔵大臣日誌』(日本経済新聞社)、『研究開発と設備投資の経済学』(サントリー学芸賞受賞、東洋経済新報社)など多数。
テレビやネットの無い時代は、文学や絵画などで様々な情報が共有されていました。江戸時代に出版された『豊年教種』は、大飢饉のサバイバルマニュアルとして、困窮する人への食事提供の具体的な注意の他に、助ける側の姿勢や心構えを諭すような内容もあったと言います。世界共通の課題として感染症に直面している今、我々は未来へどんな言葉を残していけるでしょうか?長い歴史の中で残されてきた情報に耳を傾けながら、これからの表現のあり方、社会に与える影響など、お話しいただきます。
12:00〜12:50
能×現代音楽 伝え手と受け手の“曖昧さ”がもたらすものとは?
青木 涼子
能声楽家
Profile
能の「謡」を現代音楽に融合させた「能声楽」を生み出し、現代の作曲家を惹きつける「21世紀のミューズ」。ヨーロッパを中心に活動し、ロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団をはじめ数々の名門オーケストラとの共演やベルリン・フィルハーモニー、サントリーホールなどで演奏を行う。これまで世界20ヵ国50人を超える作曲家たちと新しい楽曲を発表する世界からのオファーが絶えない、現代音楽で最も活躍する国際的アーティストのひとり。2015年度文化庁文化交流使。2019年度第11回「創造する伝統賞」受賞。
https://ryokoaoki.net/
星野 太
美学者
Profile
1983年生まれ。東京大学大学院総合文化研究科博士課程修了。博士(学術)。現在、東京大学大学院総合文化研究科准教授。専攻は美学、表象文化論。主な著書に『美学のプラクティス』(水声社、2021年)、『崇高の修辞学』(月曜社、2017年)、主な訳書にジャン=フランソワ・リオタール『崇高の分析論──カント『判断力批判』についての講義録』(法政大学出版局、2020年)などがある。
能と現代音楽を融合させた作品を生み出す 能声楽家・ 青木涼子氏。 能の声楽である「謡(うたい)」は独自の楽譜を用いるため 、五線譜で表す西洋音楽とのコラボレーションは一筋縄ではいきません。 それにも関わらず、世界20ヵ国50人を超える作曲家たちと「謡」の新しい楽曲を発表してきました。日本の伝統を世界に広げるために必要な変化とはなにか? 美学・表象文化論を専門とし、多様性を許容する社会のためにはある種の「曖昧さ」が必要と語る美学者・星野太氏と共にお話しいただきます。
13:00〜13:50
物語を「書く」ということ
綿矢 りさ
作家
Profile
1984年京都府生れ。2001年『インストール』で文藝賞受賞。早稲田大学在学中の04年『蹴りたい背中』で芥川賞受賞。12年『かわいそうだね?』で大江健三郎賞、20年『生のみ生のままで』で島清恋愛文学賞受賞。ほかの著書に『ひらいて』『夢を与える』『勝手にふるえてろ』『憤死』『大地のゲーム』『手のひらの京』『私をくいとめて』『意識のリボン』『オーラの発表会』などがある。
ロバート キャンベル
日本文学研究者
Profile
ニューヨーク市出身。専門は江戸・明治時代の文学、特に江戸中期から明治の漢文学、芸術、思想などに関する研究を行う。テレビでMCやニュース・コメンテーター等をつとめる一方、新聞雑誌連載、書評、ラジオ番組出演など、さまざまなメディアで活躍中。
繊細で鋭くて、痛い、でも体温のような温かさをも感じるストーリーを生み出す作家・綿矢りさ氏。読者は、音楽のような文体で描かれる日常に潜む、悪意や憎しみ、社会のストレスのようなものに触れ、心を揺さぶられてきました。一方、’21年出版の初のエッセイ『あのころなにしてた?』(新潮社)では、コロナ禍の綿矢氏の本当の“日常”が記されています。世界が小説のような出来事で一変したことで、創作活動にどのような影響があったのか。また、古来よりある「書く」行為の源はどこにあるのか。日本文学研究者であるキャンベル氏との対談で、お話しいただきます。
14:00〜14:50
アニメーション映画を通じて 現代の世界をどのように表現するか
細田 守
映画監督
Profile
1967 年富山県生まれ。1999 年に『劇場版デジモンアドベンチャー』で映画監督デビュー。代表作に『時をかける少女』(06)、『サマーウォーズ』(09)、『おおかみこどもの雨と雪』(12)、『バケモノの子』(15)、『未来のミライ』(18)がある。2011 年にアニメーション映画制作会社「スタジオ地図」を設立。5 作品連続日本アカデミ ー賞最優秀アニメーション作品賞受賞や、米国アカデミー賞やゴールデングローブ賞のノミネート、アニー賞最優秀インディペンデント・アニメーション映画賞受賞など、国内外で高い評価を得る。最新作『竜とそばかすの姫』(21)では、カンヌ国際映画祭オフィシャル・セレクション内のカンヌ・プルミエール部門に選出。14分間のスタンディングオベーションで称賛を得たことが日本でも話題となった。
ロバート キャンベル
日本文学研究者
Profile
ニューヨーク市出身。専門は江戸・明治時代の文学、特に江戸中期から明治の漢文学、芸術、思想などに関する研究を行う。テレビでMCやニュース・コメンテーター等をつとめる一方、新聞雑誌連載、書評、ラジオ番組出演など、さまざまなメディアで活躍中。
最新作「竜とそばかすの姫」で、インターネット上の巨大な仮想世界と、現実世界で生きる女子高生を描いた細田守監督。まさに細田作品!と感じられる手描きアニメーションと3DCGの融合、圧倒的な映像美と音楽の存在が物語を彩る本作は、世界各国で上映が決定しています。悩み葛藤しながら成長していく細田作品の主人公たち。「クラスの中心にいる人よりは、教室の隅っこで下を向いているような人に、心を寄せて描きたくなる」という細田監督が、作品を通して表現したいこととは?また、大きなプロジェクトの中で、自らのクリエイティビティをチームでどう共有し、作品を作り上げていくのか、監督としてのこだわりなど、たっぷりお話しいただきます。 ※本セッションはライブ配信ではなく事前収録した動画を配信いたします。
細田守監督、ロバート キャンベルさんが「正義」とは何か、から、バーチャルとリアルな世界について語る対談の一部を、アカデミーヒルズのYoutubeチャンネルで公開中!
VIDEO
15:00〜15:50
わたしの奥に響く《音》に耳を傾けて生きる
坂本美雨
ミュージシャン
Profile
1980年5月1日生まれ。
1980年、音楽一家に生まれ、9歳でNYへ移住。
1997年、16歳で「Ryuichi Sakamoto feat. Sister M」名義で歌手デビュー。以降、本名で本格的に歌手活動をスタート。
音楽活動に加え、執筆活動、ナレーション、演劇など表現の幅を広げ、ラジオではTOKYO FM他全国ネットの「ディアフレンズ」のパーソナリティを2011年より担当。村上春樹さんのラジオ番組「村上RADIO」でもDJを務める。
ユニット「おお雨(おおはた雄一+坂本美雨)」としても活動。 2020年、森山開次演出舞台『星の王子さま-サン=テグジュペリからの手紙』に出演。 2021年、ニューアルバム『birds fly』をリリース。
動物愛護活動をライフワークとし、著書「ネコの吸い方」や、愛猫“サバ美”が話題となるなど、“ネコの人”としても知られる。児童虐待を減らすための「こどものいのちはこどものもの」の発起人の一人でもある。2015年に長女を出産。猫と娘との暮らしも日々綴っている。 2022 年 1 月 29 日、デビュー 25 周年を迎え、アニバーサリーイヤーに様々なプロジェクトが計画中。
OFFICIAL Instagram https://www.instagram.com/miu_sakamoto/ (miu_sakamoto)
OFFICIAL TWITTER: http://twitter.com/miusakamoto (@miusakamoto)
OFFICIAL HOME PAGE: http://www.miuskmt.com/
Naz Chris
DJ、ラジオMC、アクティヴィスト、放送作家、メディア・プロデューサー
Profile
DIRTY30プロダンクション株式会社 代表取締役、一般社団法人JDDA 理事、ナイトライフにおける女性の活躍を支援する団体:CHICKS ON A MISSION共同代表。公益社団法人 日本芸能実演家団体協議会 正会員。
学生時代は、全国高等学校総合体育大会(選手権)、国民体育大会(国体)、全国高等学校選抜大会へ出場するなど、競技選手として多忙な日々を送りながら、2024年パリオリンピック競技大会に種目の追加が決定したブレイクダンスにも没頭。また大学進学と共に、都内の放送局等にアシスタントとして勤務しながら、印度哲学、宗教学を専攻し、院生とともに研究 (心理人類学、文化とパーソナリティ論)に勤しんだ後、渡印。以降は、ロンドン・デリー・ロサンジェルスで、文化、エンターテインメントへの知見を深める。
Derrick May、 Claud Young、Nicky Romero、Poter Robinson、Dannic、LOST FREQUENCY等、世界的な DJ やアーティストのインタビュー、取材、国内外の音楽家との対談等多数。DJとしては、年間240本以上のプレイ、多様なジャンルに対応した DJプレイを行う。2018 年には、COLDFEET の Watusi と共に プロデューサーユニット【NAZWA!】を結成。
ロンドンを拠点とするダンスミュージック・プラットフォーム 【RONDO】でTechno チャート上位にランクイン、2 年間に渡る東南アジアツアーで、ジャカルタ-ホーチミン-ハノイ-シンガポール、インド等でアクトを披露。
2021年「いとうせいこう is the poet with 満島ひかり『Verse 2』」@ブルーノート東京公演でプレイ。
コロナ禍には、「#SaveTheDance 」オンライン署名活動、ロビーイング活動を指揮する。若い世代が従事する分野のエンターテインメント、文化芸術の窮状を行政府へ直訴し、エンターテインメント・シーンの支援拡大、若者の文化芸術文野の振興に寄与。著作権及び、著作隣接権の権利者、音楽権利者団体から特別な了承・協力を得て、著作権・著作隣接権の時限的な協力体勢によるライブ DJ 配信事業「Japan DJ.net-ONLINE-」実施。国内最大級のダンスミュージック・イノベーション「TOKYO DANCE MUSIC WEEK」実行委員長。
「東京2020パラリンピック」の開会式で“パラ楽団”のボーカルとして、心と身体を包み込むような透き通る歌声を世界に届けた坂本美雨さん。歌手として25年間、日常生活と音楽活動は常に混ざり合い、身の回りの変化を受け入れながら創作をしてきたといいます。自然体から生み出される音楽に身を委ねると、自分を大事にすること、他者も大事にすること、人は一人では生きられないのだということが、静かに、そして強く心に響き、満たされていく感覚になります。
本セッションは、DJ、ラジオMC、プロデューサーであり、コロナ禍のエンターテインメントシーン支援に取り組むNaz Chrisさんとともに、音楽が人間にもたらすもの、音楽の持つ力について、語っていただきます。
16:00〜17:00
アートの役割 「正」と「負」を見つめて生きるために
会田 誠
美術家
Profile
1965年新潟県生まれ。1991年東京藝術大学大学院美術研究科修了。絵画、写真、映像、立体、パフォーマンス、小説、エッセイ、漫画など表現領域は国内外、多岐にわたる。美少女、戦争画、サラリーマンなど、社会や歴史、現代と近代以前、西洋と東洋の境界を自由に往来し、常識にとらわれない対比や痛烈な批評性を提示する作風で、幅広い世代から圧倒的な支持を得ている。
近年の主な個展に「天才でごめんなさい」(森美術館/東京 2012-13)、「考えない人」(ブルターニュ公爵城/フランス 2014)、「GROUND NO PLAN」(青山クリスタルビル/東京 2018)、昨年は「パビリオン・トウキョウ2021」に参加、神宮外苑に建てられた《東京城》は大きな反響を呼んだ。
小説「げいさい」(文藝春秋、2020年)、「青春と変態」(ABC出版、1996年/筑摩書房、2013年)、漫画「ミュータント花子」(ABC出版、1999年/ミヅマアートギャラリー、2012年)、エッセイ集「カリコリせんとや生まれけむ」(幻冬舎、2010年)、「美しすぎる少女の乳房はなぜ大理石でできていないのか」(幻冬舎、2012年)、など著作多数。
ロバート キャンベル
日本文学研究者
Profile
ニューヨーク市出身。専門は江戸・明治時代の文学、特に江戸中期から明治の漢文学、芸術、思想などに関する研究を行う。テレビでMCやニュース・コメンテーター等をつとめる一方、新聞雑誌連載、書評、ラジオ番組出演など、さまざまなメディアで活躍中。
「パビリオン・トウキョウ2021」で、神宮外苑に「東京城」としてダンボールとブルーシートで巨大な2つの城を制作した会田誠氏。祭典のそばで、避難生活や路上生活を想像させる作品は、忘れないというメッセージであり、ポジティブとネガティブが隣合わせにあるのだと考えさせられました。また、’20年に「アマビエ」を題材に作品を発表した際には「江戸時代の人も現代人も、アマビエを貼る行為は気休めの側面があると、わかっていると思う。為すすべもない状況で文化が何かできるとしたら、心の領域だ」と語っています。 本セッションでは、会田氏とキャンベル氏の日本文化に対する眼差しを交わし合い、これからの時代にアートができること、為すべき役割とは何か、お話しいただきます。