東京大学にて生物学、数理科学を修め、仏エコールポリテクニク大学院にて物理学博士(Ph.D)取得。獣医師免許資格保持。サステイナビリティ、環境問題、健康問題の交差点となる農業をはじめとする食料生産において、生物多様性に基づく協生農法(Synecoculture)の構築を通じて、人間社会と生態系の双方向的な回復と発展を目指す。協生農法の原理を人間の生活圏や都市空間にも活用し、生物多様性の増進と同時に様々な生態系サービスを目的に応じて高める「拡張生態系」の社会実装にも取り組む。
ニューヨーク市出身。専門は江戸・明治時代の文学、特に江戸中期から明治の漢文学、芸術、思想などに関する研究を行う。テレビでMCやニュース・コメンテーター等をつとめる一方、新聞雑誌連載、書評、ラジオ番組出演など、さまざまなメディアで活躍中。
人類が積み重ねてきた『食』へのアプローチ。食文化の発展から、地球規模の食料問題、環境破壊に挑むテクノロジーまで、『食』には様々な側面があります。未来の『食』はどこへ向かうのか?じっくり考えたいと思います。
ゲストは、農業による環境破壊の解決を目指す「協生農法・拡張生態系」を提唱しているソニーコンピュータサイエンス研究所のリサーチャー、舩橋真俊さんです。
「協生農法」とは、多種多様な植物を混生・密生させた生態系の営みにより、耕さず、肥料や農薬を使用せず、豊かな植生を構築することで食料生産を向上させる農法です。これまでの農業は、単一作物の生産性、効率化を重視してきました。ジャガイモならジャガイモ、と一種類を集中的に育て、生産性を高める手法です。一方で、農地を切り開くことは、元の生態系を壊すこと、砂漠化などの環境破壊が進むことにつながっています。
「協生農法」は元の自然に戻すことが目的ではなく、人間が生態系をデザインし、自然状態を超え、生物多様性、機能が高まった状態となること(=拡張生態系と呼ばれる)を目指し、結果的に収穫物の多様性と持続可能な生産量を大きく向上させる、という特徴があります。
舩橋さんは科学者として、世界各地で実証実験を繰り返しています。サハラ砂漠南のブルキナファソでは、1年間で砂漠がジャングルに変わり、驚くほど収穫量を確保できるという結果が出ています。また、現在六本木ヒルズの屋上庭園でも都市空間における「協生農法・拡張生態系」の実証実験が進行中です。
今も野に入り実験し、理論化するサイエンティスト、舩橋さん。数十年先の未来を見据えてデザインする持続可能な生態系について、「協生農法・拡張生態系」を通して実現したいことについて語っていただきます。
【参考資料】
協生農法と拡張生態系について
※上記ページでご紹介している情報(抜粋)
協生農法実践マニュアル2016年度版
拡張生態系入門キットについて
拡張生態系入門キット ハンドブック(PDF)
お申込期日:11月9日(火) 19:00